ワーキングマザー洗濯機を買う

 初めての「はてなブログ」エントリーが「洗濯機」というのもどうかと思うけど、ワーキングマザーらしいネタかな、、とも思うので、練習がてら。
 
私は三人の子の母親である。
 長女は既に高校2年になるが、彼女が生まれた16年前からずっとフルタイムで働いている。真ん中が中1男子、末が小2女子。怒濤の子育て時代がやっと凪いで来たかなぁが、昨今の感想だ。
 
 ちょっと前までは「えー!三人も!」って言われたけれど、まぁ、少し探せばそんな境遇の人も居なくは無く、マジョリティじゃ無いけど、エラくマイノリティでも無い、、と自分では思っている。(実際に今住んでる地域は、子ども三人の家庭は結構多い。勿論、両親共稼ぎでね。)
 
 で、まぁ、家族五人居て平日はフルタイムに働いて、通勤時間を入れたら12時間は家を空ける家庭ともなると、家事の方法は工夫に工夫を重ねる。割り切っちゃう事も多いし、何とかならないかと苦肉の策で編み出したハウツーも結構ある。
 
 とりわけ、家電に関しては敏感だ。
「わかんない」とか「高い」とか言ってられない。日頃の家事ルーティーンが少しでも「楽で高いクオリティ」にならないかと、反射的に考えてしまう。
 
一個、一個、そのノウハウをあげたらキリが無いが、そんな中で大問題が持ち上がった。
 
洗濯機が壊れたのである。
 
正確に言うと「乾燥機能が壊れて」しまった。
 
 洗濯物をどうやって乾かすかは、永遠の家事問題で、結構根が深い。クリーニングに出すと言っても限界があるし、旅行へ行っても、まず困るのが毎日出る「洗濯物」だろう。
 
 余談だけど、5年前に家族五人で北海道へ旅行へ行ったが、ずーっと洗濯物の心配をする旅程にウンザリしてしまった。子どもが小さかったし、真夏だったから、みるみる着替えが無くなって、コインランドリーは無いかと探し回るのにホトホト懲りてしまった。
 
 
 とにかく、冷蔵庫と並んで一日でも滞ったら大変困る家電なのである。
 
「戦友逝く」
 
大袈裟だけど、そんな想いもあるので、折角の機会だから歴代の「戦友」達を簡単に記録しておこうと思う。働く母を黙々と影で支えてくれる、優秀な「国産の戦士達」である。
 
初代:ナショナル国産ドラム式洗濯乾燥機第一号機

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 奇跡的に偶然写っている写真を見つけた!結婚して最初に買った国産のドラム式洗濯乾燥機。当時はまだ「ナショナル」名だった(97年頃)

 話題になり始めていた「ドラム式洗濯機」の国産化に成功して、欧米ではスタンダードなドラム式に乾燥機能を付けた代物。当時から働き続けるつもりだった私は「松下が作ったんだから、けっこういいかな?」と期待して買った。(余談だけど、この頃は片道2時間半かけて新幹線通勤もしていた。)

 でも、残念ながら「乾燥機」としては殆ど役立たず。かなり少ない分量にしても、単に洗濯物を「温めてる」ばかりで、この機能は早々に見切ってしまった。

 松下と並んで、東芝スウェーデンエレクトララック社から、ライセンスを受けて、ドラム式を売り出していた。このジャンルは他のメーカーは手を出さない「二強」の世界だったと記憶してる。

 なんでも、ドラムを回転させるために、本体にある程度の「重量」が無いと洗濯機が動いてしまうらしく(脱水時にガタガタと洗濯機が前にせり出すらしい)その「重量」をどうもたせるかが、開発の際の「泣き所」だったとか。

欧米では、その点は「石造り住宅」の歴史が長いからか、無頓着に重たくしてるけど、木造住宅が主流で特に床材を補強するなんて発想が無い日本の住宅では、あまり「重たく」ならずに、回転の勢いを打ち消す仕組みを入れたとか、、(この辺りは初号機を買う時に調べたきりだから、ウル覚え。)

それでも、ナショナルのこの洗濯機は100kgもあって、設置の度に大の大人が二人掛かり。2度の引越しに連れて歩いたが、毎回「申し訳ありません(~_~;)」って屈強な引越しのアルバイトのお兄さん達に謝ったものである。

 どうして、ドラム式にしたかと言えば、少しヨーロッパで生活をした事があった実母や妹が「ドラム式洗濯機っていい!」と褒めていたからである。(ついでを言えば食洗機も)

「少ない水量で、叩き洗いするから、繊維を傷めず、綺麗に洗える」

が、一般的なドラム式洗濯機の利点で、そこに乾燥機能が加われば「完璧」だろうと、、。

まぁ、今振り返ると、最初のトライは失敗になるのが、物の常で、前述した通り「乾燥機能」はイマイチどころか、殆ど「オマケの役立たず機能」、洗い上がりや衣類の保ちも、正直言えばそんなに差を感じ無かった。加えて、子ども服は先に本人の方が大きくなってすぐに着られなくなるしね。

多分、縦型洗濯機でも得られるベネフィットは殆ど変わらなかったと思えるが、強いて言うなら、洗濯機の天面がフラットで物置きとして使い易かった、、ってくらいだろうか(^_^;)

 

二代目:スーパースター「ヒートポンプ乾燥」登場
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 ナショナルのは結局12年使った。
 その間、洗濯物干しは専用の「洗濯物部屋」を作って、そこでガンガン「除湿機」を回したり、臭いを軽減してくれると言われた「室内干し専用」の洗剤を使ってみたりと、「お天道様に干してる暇が無い」働く母は悪戦苦闘だった。
 
因みに、その頃はまだ「風呂水利用」とか「洗濯物からまん棒」が主流で、特に風呂水は「お湯の有効利用」でもてはやされていた。今でも必ず「風呂水利用」機能は付いてるけれど、私は諸般の都合から使った事がない。(その理由はまた後で)
 
 もう一つの動きが、直接洗濯機の機能では無いけれど、関係の深い「浴室乾燥機能」かな。これは
 
「浴室の湿気を乾燥させるついでに洗濯物も乾燥」
 
するものなんだけど、「お風呂に入る」と「洗濯物を干す」って家事時間として割りに「バッティング」してしまう事が多く「お風呂に入ろうと支度をしに行ったら洗濯物が干してあったぁー!」とか、分刻みにタスクをこなす「夕方の母」としとはアリエナイ状況になるのは目に見えているので、試すまでもなく「却下」だった。
 そもそも、浴室程度のスペースに家族5人の1日の洗濯物は干せないしね。この辺りは最近流行りの
 
「カスタマー・ジャーニー」 
 
とかで検証してみたらすぐにわかる話である。とにかく「洗濯物が干せて放っておいても気持ち良く乾燥してる」スペースを家の何処かに確保しておくのが、フルタイムワークとの両立への第一歩かも知れない。(大袈裟〜!)
 
 そんなこんなで、愛用していたナショナルの洗濯機が12年目にして、脱水が出来なくなってしまった。ドラムをスピンさせる為の部品がこわれたらしい。脱水出来ないは、もう洗濯機としては致命傷で、速攻で二代目を買いに走ってもらう。(この頃は末っ子がまだ乳飲み子で、外出もままならなかったのだ。)
 
 ここで初めて出会ったのが「ヒートポンプ乾燥」。詳しい技術の事はよくわからないので、以下のサイトをご参照。
 
第95回 空気から熱をくみ出す -ヒートポンプ-|テクの雑学|TDK Techno Magazine
 
 要するにエアコンと同じ原理らしく、エコキュートと呼ばれる給湯器も同じ原理。この東芝のヒートポンプ式を08年に購入したけど、エコキュートはその少し前から製品化されてたから、「技術の応用展開」だったのだろう。
 
このヒートポンプ乾燥が素晴らしかった!
 
 タオルとか、ふかふかに乾くし、衣類の縮みも少ない。一般的な「ヒーター式」乾燥機のように「乾いたけれど皺くちゃ」という事もなくて、特にコットン100%のTシャツあたりは、畳む時に手で少ししごけばすぐに真っすぐになるほど、フワッとした仕上がりになる。
 
 勿論、向いて無い物もあって、ジーンズとか綿シャツ(ブロード地っぽい生地)は干してしっかり皺を伸ばした方が良いが、それ以外の細かい洗濯物は、全部ヒートポンプにお任せするようになってしまった。このお陰で、洗濯物の手間が激減した。しかも、一度ヒートポンプ乾燥のタオルを使ってしまうと、もう普通に干したタオルが、ゴワゴワで使えなくなってしまう。
「紙やすりで顔を拭いてるのかな。」(^_^;)
って思うくらい感覚が贅沢になる。柔軟仕上げ剤を使わ無いでも、ふっくらで吸収も抜群だから、一度上がった「贅沢レベル」はなかなか落とせ無い。
 
 そんなだったから、我が家に来てから丸6年。この洗濯機には本当に過酷過ぎる環境で、使い倒してしまった。工場で「生産ラインが遊んでいるともったいない。」って思うのと同じで、洗濯機が空いてるなと思えば、いろいろ洗って乾かしてを繰り返し、先日のGWには
 
「こんなに回しちゃったら、そろそろ悲鳴を上げるかなぁ。」
 
と思っていた矢先だった。
 
 半年くらい前にも別の部品が壊れて交換して、ついでに内部のパイプをお掃除してもらったばかりだったが、今回は乾燥時に排出する「水分」を一箇所へ溜めて汲み出すポンプが壊れてしまって、乾燥ができなくなってしまったらしい。
 
 先代の松下製に比べたら半分の6年間しか保たなかったが、この6年に受けた恩恵たるや、乾燥出来なくなって全ての洗濯物を干した数日間で身に沁みてしまった。
 
三代目:真打なるか、温水洗浄機能付き

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そして、三代目としてやって来たのが、このパナソニック製。

 洗濯処理容量は先代からさらに1kg増えたにも関わらず、製品容積も重量も軽量化が進んでいる。

 初代は100kg、二代目東芝製は90kg、今回の三代目は80kgで、16年間に約20kgの減量に成功したらしい。大きさも少し全面にせり出しているものの、幅も高さも二代目よりコンパクトになっている。

 

 勿論、ヒートポンプ式乾燥機能付きだけど、今回期待しているのが「温水機能付き洗浄」だったりする。

 実は、先代の東芝製は乾燥機能は抜群だったものの、どうも洗濯物が「黄ばむ」「くすむ」という悩みがあった。多少化繊が入った物はそんなに目立た無いんだけれど、コットン100%のタオルやら、子供たちのTシャツが、半年くらい経つと、それとな〜く「煮しめた」感じに布地が「くすんで」しまう。

 可愛いキャラクターがプリントされた白いTシャツなどは、見るも無残。少しづつ黄ばんで行くから、すぐには気がつか無いんだけど、ある日「あ!」と思ってしまう。

 

 これには随分と悩んでしまい、ネットでもいろいろ調べてみた。最初は「洗いが足り無い」のかと思って、洗剤を多め多めにしてたけど、それはどうやら「逆効果」

ドラム式は水量が少ないから、洗剤の繊維残留が多くてこれが原因でくすむ

という文献もあったりで、慌てて洗剤量を少なくしたり、すすぎ回数を多くしたり、はたまた洗剤を変えてみたり。。でも、今ひとつ「パッ」とした成果は感じられ無い。別の資料によると「高温(40度以上)のお湯」に濃い目の洗剤でつけ置きしてから、洗濯すると、一度くすんでしまった洗濯物が元へ戻るとあるのだが。。

 その不利点を、カバーしてるのか、今回のパナソニックは「洗い」に重点が置かれている。(泡で洗うとかね)

 効果のほどは、これから使ってだが、つくづく思うのは、日本の家電の「仕様のマメな積み上げ努力」だ。

 減量しかり、機能改良しかり、「新規開拓でブルーオーシャン一番乗り!」はあんまり得意では無いけれど、少しづつの不満や不利点を、着実に潰して「安定的」な製品を出して来るなぁと改めて思う。

 

 安倍さんは「成長戦略三本の矢」のうちで「女性の社会での活躍」を挙げているが、確かに先進国に比べたら、日本の「女性の活躍度」は見劣りするのかも知れない。

 「日本で子育てしながら働くのは厳しくて大変」という評には「もっともだ」と思いつつ、この「世界でも稀に発達した家電群」に、かなり助けられて来たなぁという実感も、また事実である。

 たかが洗濯機、されど洗濯機で、どれだけのエンジニアと商品企画者が真剣に取り組んで来てくれたのかと思うと、本当に感謝感謝なのである。

 

 今宵も、洗濯機は回り、ルンバも掃除をしてくれている。そうやって出来た時間でこんなブログが書けるのだから、日本はあながち捨てたもんでも無いなと思ったりもする。


 (追記)

ウッカリ「風呂水利用をした事が無い」の言及を忘れました。

理由は、洗濯機設置位置をキッチンに近くしてしまって、お風呂から遠くて給水ホースが届かないから。(*^^*)

初代はそもそも「風呂水利用機能」が無かったから、脱衣所にあっても風呂水は使えず、二代目にはその機能があっても風呂桶が遠かったという、、。

でも、例え近くても、そもそもドラム式は使う水量が少なくて「すすぎの最後は水道水がいいかなぁ。」なんて事を言い出したら、大した容量使わないのに何時までも風呂水を溜めとくのも、子どもが小さいうちはかえって危険だし、浴室のカビ防止を考えたら、あまりメリットを感じ無かったから。

キッチン近くに洗濯機があると、夕飯の支度をしながら、洗濯が並行処理出来て非常に便利で、そっちを取りました。脱衣所に洗濯機が無くても、洗濯カゴを移動させればいいだけの話だったり、年頃の娘が居るとお風呂に入ってると脱衣所に鍵かけちゃったりね。(-_^)ニーズは動いて行くので、出来るだけ分離可能にしておくと対応し易いのかな、なんて思います。

家事動線を考える機会のある方は、是非ご一考を!